HIV感染症は治療の進歩で生命予後が劇的に改善し、自分のライフスタイルに合わせた生活を地域で送ることができるようになり、HIV感染患者数は年々増加しています。また、最近ではHIV感染患者さんの高齢化に伴う慢性合併症が問題となってきております。その中の一つに慢性腎臓病があります。HIV感染患者さんの中には、糖尿病などの生活習慣病の合併、抗HIV薬などによって腎障害を来している方が多く、慢性維持透析が必要な方も増えてきています。そのため、HIV感染患者さんが地元や旅行先などで安心して透析を受けられる体制(ネットワーク)づくりが全国的に求められています。
HIV感染患者が滞りなく維持透析が受けられるための協議会としての役割を果たすために、東京都透析医会が事業の一環として、厚生労働行政推進調査事業「HIV感染症の医療体制の整備に関する研究班」と共同で東京都HIV透析ネットワークプロジェクト(国立国際医療研究センター日ノ下文彦委員長)を設置しました。このプロジェクトの基本は、HIV感染患者さんの透析を行ってくださる御施設を多数募集し、東京都HIV透析ネットワークを構築することです。ご登録いただいた御施設のリストを作成して東京都HIV透析ネットワークプロジェクト事務局が非公開で保管し、その地域で透析が必要なHIV感染患者さんが生じた場合に、東京都HIV透析ネットワーク事務局が透析の受け入れ先をご相談させていただきます。また、HIV感染透析患者を受け入れるための講習会の開催や出張講義等の啓発活動を必要に応じて行います。
登録リストは一般には非公開とし、国立国際医療研究センター腎臓内科にて管理され、患者紹介の際にのみ使用されます。透析が必要になっても、患者さんが住み慣れた地域での生活が続けられるように、地域の透析医療を担っている皆様のご理解と、ネットワークへの積極的なご参加をお待ちしております。
下記案内もご参照ください。
・東京都 HIV 透析ネットワーク 参加施設募集(PDF)
・HIV感染透析患者医療ガイド改訂版2019
HIV感染患者の受け入れ時に必要な知識や考え方、対処法などの基本的な内容が解説され、受け入れで困らないための19項目のQ&Aが掲載されています。
「東京都HIV透析ネットワーク登録方法とその後の手順(PDF)」を熟読したうえで、登録申請書を下記よりダウンロードください。必要事項をご記入のうえ、FAX、または郵送にて送付ください。
患者さんが安心して地域で生活を続けられるよう、より多くの御施設の皆様にご登録をしていただければ幸いです。どうぞご協力のほどよろしくお願いいたします。
※東京都HIV透析ネットワークプロジェクトでは、HIV感染症の基礎知識や感染予防についての知識向上のため、必要に応じて各施設に出向いて行う無料のHIV/AIDS出張研修や小エリア向けの講演会も検討しています。ご希望の施設は上記、国立国際医療研究センター腎臓内科へご連絡ください。
シンポジウム:HIV感染症の受入れを阻むものは何か?
本動画は、同じタイトルで2019年11月16日に東京で開催されたシンポジウムと2020年1月11日に埼玉で開催されたシンポジウムを編集したものです。
パネルディスカッション:HIV感染症の受入れを阻むものは何か?そしてその解決策は?(埼玉 2020年)
本動画は、2020年1月11日に埼玉で開催されたシンポジウムのパネルディスカッションを編集したものです。
パネルディスカッション:HIV感染症の受入れを阻むものは何か?そしてその解決策は?(東京 2019年)
本動画は、2019年11月16日に東京で開催されたシンポジウムのパネルディスカッションを編集したものです。